新年のごあいさつ
2024年1月
東洋機械金属株式会社
代表取締役社長 田畑 禎章
はじめに、令和6年能登半島地震により犠牲になられました方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様、ならびにご家族、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。被災地では余震が続き不安な日々を過ごされていることと存じますが、一日でも早く被災された方々の平穏な生活が戻りますようお祈り申し上げます。
新年にあたり昨年の世界情勢を振り返りますと、ロシアによるウクライナへの侵攻は依然として終息が見通せず、特に欧州でのエネルギー価格高騰による経済不安、中国での不動産バブル崩壊の影響による経済の鈍化が進み、米国においてはインフレによる景気後退など経済面において暗い影を落としました。また、東アジア地域では、中国の経済的、軍事的台頭を背景とした米中の覇権争いの激化による緊張が高まってきており、台湾有事発生の際には、日本にも安全保障面、経済面で様々な影響が波及するものと考えられます。
一方で、国内の経済動向は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類相当に移行したことにより人々の行動に制限がなくなったことで、個人消費は急速に回復し、また、インバウンド客の増加もあり、国内経済は持ち直しを見せました。しかし、急速な円安による輸入原材料や燃料、資源価格の高騰の影響による物価の上昇などにより、先行きは依然として不透明となっております。
このような環境のもと、弊社の事業においては、射出成形機とダイカストマシンともに自動車や工業部品関連で受注が減少となりましたが、国内では、年末にかけて政府の設備投資関連の補助金による後押しの効果もあり、自動車関連を中心に受注が戻りつつあり、海外でも、直近アジアでの自動車関連の伸長が目立つ状況となりました。また、これまでの世界的な半導体不足が続いた影響による部材調達の長納期化は解消されつつあり、本年の前半には、生産は計画通りに戻るものと考えております。引き続き、部材確保を最優先事項とするとともに生産改革も着実に実行し、良い製品をご希望の納期でお客様にお届けできますよう全力で取り組んでまいります。
さて、TOYOグループでは、グローバル生産体制の強化として、中国・常熟工場の第3期工場を建設しておりましたが、昨年の2月に完成し、順調に生産を開始いたしました。第3期工場の稼働により月平均の生産能力は150台となりました。拡大する中国のEV・医療・5G関連のお客様に向けて、タイムリーに常熟オリジナル高スペックモデル「CSシリーズ」をお届けしてまいります。また、昨年12月には国内の本社敷地内に、サービス子会社である東洋機械エンジニアリング株式会社の新社屋ならびに部品配送センターを竣工しました。これにより国内外のお客様にサービス部品をより早く、より正確にお届けすることが可能となりました。
製品面においては、昨年11月、幕張メッセで開催された”IPF JAPAN 2023”に10年ぶりにフルモデルチェンジした射出成形機”Si-7シリーズ“を発表しました。最新モデルはどのような製品にも最適成形できる性能を備え、操作性の向上も重視し、DX先進技術も取り入れたフラッグシップとなりました。ダイカストマシンでは最新モデルの”BD-V7EXシリーズ“に加え、環境対応型の次期電動サーボダイカストマシン”Ds-EX2シリーズ”の販売拡大を進めます。これにより、市場や社会からの環境意識の高まりにお応えするべく、すべての製品が優れ、環境性を考慮した高品質で安心してご使用いただけるラインアップとなりました。TOYOグループでは、これからも環境に配慮した製品開発を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
また、本年は、5月にアメリカのオーランドで開催されるNPE2024に射出成形機を出展します。この展示会は3年に一度、世界中の業界関係者が会するプラスチックとゴムに関わる展示会でアメリカ最大のものづくりの展示会です。性能、品質、生産性の向上に併せ、消費電力やCO2の削減にも寄与する最新のマシンをご体感いただける機会となりますので、皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。
TOYOグループでは、「Customersʼ Value Up」を掲げ、専業メーカーとして築いた技術力でお客様の価値向上に貢献できるよう、社員全員がより良い製品・サービスの提供に努めてまいりますので、さらなるご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
(お断り)内容を一部差し換えいたしました。